ハープ奏者:ハープ奏者の日常や、ハープの種類や値段などを探ってみました
このブログでは、ハープという楽器が持つ透明な響きと、その音色を紡ぐ奏者たちの世界を紹介していきます。 優雅でありながら力強く、静けさの中に深い情感を宿すハープ。その魅力を、奏者の姿・音・物語を通して掘り下げていきます。 演奏の裏側、日々の練習、ステージでの瞬間、そして日本のハープ文化まで── ハープ奏者の世界を、音が聞こえてくるような視点でお届けします。

ハープ奏者の日常
1,手と指先の確認です。ハープ奏者にとって、指先にできた適度な「マメ(硬い皮膚)」は命綱。これが柔らかすぎても、削れすぎていても美しい音は鳴りません。保湿やテーピングなど、日々のケアが欠かせません。
2,オーケストラで使われるグランドハープには、47本の弦があります。木と弦でできたハープは温度や湿度の変化に非常に敏感なため、毎日の調弦は必須です。半音を操作する7つのペダルを踏み替えながら、一本一本の音程を正確に合わせていく地道な作業から一日が始まります。
3,ハープ奏者の多くが「運送業者」としての顔を持っています。高さ約190cm、重さ約40kgの楽器を、専用の台車を使って自分の車(たいていは大型のワゴン車)に積み込みます。毛布や専用のカバーで丁寧に包み、少しの衝撃も与えないよう細心の注意を払う、まさに重労働です。
あの天上の音楽のような優雅な響きは、日々の地道なチューニング、重い楽器を運ぶ体力、そして指先への細やかなケアという、泥臭くも真摯な努力の上に成り立っています。ハープ奏者の一日は、音楽への深い愛情なしには乗り越えられない、アスリートのような日々と言えるでしょう。
ハープの歴史
ハープの起源は、狩人が使用する武器の弓ではないかと考えられています。最も古いハープの記録は、紀元前4000年のエジプトの物か、紀元前3000年のメソポタミアの物ではないかと言われています。シュメール王朝時代の遺跡からは、ほぼハープの原型と思われる楽器が発見されており、壁画の記録から見て、奏法もハープと同じであろうと考えられます。ハープは古代の叙事詩やエジプトの壁画に現れ、世界中の多くの音楽文化で発展し独自の展開を遂げました。
1. 起源:狩人の弓(紀元前3500年頃〜)
ハープの最も古い祖先は、「狩りの弓」だと言われています。弓を射た時に弦が鳴る音に着目し、一本の弦から複数の弦へと増やしたのが始まりです。
- サハラ・ハープ: 古代エジプトやメソポタミアの壁画に、弓型のハープ(ボウ・ハープ)が描かれています。
2. 構造の進化:フレームの完成(中世〜)
初期のハープは弦の張力で本体が歪みやすかったのですが、弦を支えるための「柱(ピラー)」が加わり、三角形のフレーム構造が確立されました。
- アイリッシュ・ハープ: 10世紀頃のアイルランドやスコットランドで発展。頑丈な木材で作られ、金属弦が張られていました。ケルト文化の象徴として、現在もアイルランドの国章に採用されています。
3. 半音への挑戦:フック・ハープ(17世紀〜)
バロック時代になると音楽が複雑になり、演奏中に「半音(シャープやフラット)」を出す必要が出てきました。
- 手動フック: 弦の付け根に小さなフックを取り付け、手でそれを動かして弦の長さを変え、音程を調節しました。しかし、演奏中に手を離さなければならないという欠点がありました。
4. 現代の完成形:ペダル・ハープ(18世紀〜19世紀)
手を使わずに足で音程を変える「ペダル機構」の発明が、ハープを近代的な楽器へと押し上げました。
- シングル・アクション: 1720年頃、ドイツのホッホブルッカーが発明。
- ダブル・アクション: 1810年、フランスのセバスチャン・エラールが完成させました。これにより、すべての調(キー)を自在に演奏できるようになり、オーケストラに欠かせない現在の「グランドハープ」が誕生しました。
ハープの種類と値段
ハープには、オーケストラで見かけるような大型のものから、膝に乗せて手軽に弾ける小型のものまで、主に4つの種類があります。大きさや弦の数、半音の操作方法(ペダルかレバーか)によって、価格帯が大きく異なります。それぞれの特徴と大体の値段をまとめました。
1. グランドハープ(ペダルハープ)

オーケストラやプロのクラシックコンサートで使用される、最も大きく華やかなハープです。
- 特徴: 弦の数は通常47本。足元にある7つのペダルを踏んで半音の操作を行います。高さは180cm前後、重さは30〜40kgほどあります。
- 大体の値段: 150万円 〜 500万円以上
- 備考: 音響材の質や金箔などの装飾の豪華さ、メーカー(青山ハープ、サルヴィ、カマックなど)によって価格が天井知らずに上がります。
2. アイリッシュハープ(レバーハープ / ケルティックハープ)
グランドハープより一回り小さく、ケルト音楽やポップス、弾き語りなどでよく使われます。

- 特徴: 弦の数は34〜38本程度が主流です。半音の操作は、各弦の上部についている「レバー」を指で弾きながら上げ下げして行います。重さは10kg〜15kg程度で、車での持ち運びも可能です。
- 大体の値段: 15万円 〜 80万円
- 備考: 本格的なハープの響きを楽しめ、かつグランドハープより手が届きやすいため、大人の趣味として始める方に最も人気のある種類です。
3. サウルハープ(小型ハープ)
アイリッシュハープをさらに小さくし、より扱いやすくしたハープです。

- 特徴: 弦の数は25〜29本程度。専用の小さなスタンドに立てたり、椅子に座って膝の間に挟んだりして演奏します。高さが15cm位、重さは4kg〜6kg程度と軽く、家の中での移動も簡単です。
- 大体の値段: 10万円 〜 25万円
- 備考: 弦の数が少ないため弾ける曲の範囲は少し狭まりますが、音色は本格的です。
4. ミニハープ(ラップハープ / ベイビーハープ)
机の上や膝の上に置いて弾ける、最も手軽で可愛らしいハープです。

- 特徴: 弦の数は12〜22本程度。半音操作用のレバーがついていないシンプルなタイプも多く、インテリアやちょっとした癒しの楽器として人気です。
- 大体の値段: 2万円 〜 8万円
- 備考: おもちゃに近い数千円のものもありますが、楽器としてしっかり調弦し、美しい音色を楽しめるものは上記の価格帯になりま
💡 補足:最初はレンタルもおすすめ ハープは初期費用がかかる楽器ですが、多くの楽器店やハープ教室では月額数千円〜1万円台からのレンタル制度が用意されています。最初はレンタルで自分に合ったサイズや弦の感覚を試し、長く続けられそうであれば購入を検討するのも一つの方法です。
動画
まとめ:ハープ奏者がもたらす癒しと神秘性
ハープの最大の魅力は、「視覚的な優雅さ」と「心に直接触れるような温かい音色」の融合にあります。指先で直接弦を弾くことで生まれるその響きは、他の楽器にはない繊細さを持ち、聴く人の心を優しく癒やしてくれます。
オーケストラの舞台で華やかに輝くグランドハープから、人々の暮らしや歴史と共に語り継がれてきたアイリッシュハープのような素朴なものまで、その表現力は実に多彩です。見た目の美しさと、どこか懐かしく神秘的な響きで私たちの心に寄り添ってくれるハープは、これからも多くの人を魅了し続ける特別な楽器と言えるでしょう。


