心がやすまる子守唄~クラシック編~わかりやすく解説します【10選】

「子守唄」とは、古典音楽の中でも特に心を静める効果がある曲です。また日常の喧騒から離れ、心の静寂を味わいたい時に最適な音楽です。

クラシックの「子守唄」は、古典的な響きに加えて、現代のストレス社会にも適応しています。

その美しい旋律が、心を包み込み、疲れた心を癒す力があります。また時の流れを忘れさせ、心を穏やかな波に乗せてくれます。

忙しい日々の中でリラックスするための手段として、この音楽を聴くことがおすすめです。

子守唄は赤ちゃんを寝かしつける際に使われることもありますが、大人が聴いても心が穏やかになる効果があります。

本記事では心休まるクラシックの子守唄を10曲ご紹介していきます。

忙しい日常生活の中で、この音楽に耳を傾け、心が休まるひとときを過ごしましょう。

心がやすまる子守唄~クラシック編~10選の紹介

選んだ基準は、クラシック曲もたくさん数ある中で、まずいろいろな曲を聴いてみました。

その中で、おだやかな気持ちになり、眠りをさそうような曲を選んでみました。

子守唄になるには、みんなが聴いたことがあるような曲、また美しくおだやかなメロディ、
そしてゆったりとしたテンポの曲などを中心に選んでみました。

たとえば、いろいろな種類の楽器(ピアノ、ヴァイオリン、チェロ、管楽器など)が使われていますが、それぞれの楽器が持つ美しさを楽しめます。

ぜひ、普段あまり聴く機会がないクラシック音楽を、家族で聴いてみて下さい!!

  1. ブラームスの子守唄
  2. トロイメライ
  3. G線上のアリア
  4. 動物の謝肉祭より白鳥
  5. アヴェマリア
  6. パッヘルベルのカノン
  7. 亡き王女のためのパヴァース
  8. クラリネット協奏曲
  9. タイスの瞑想曲
  10. 主よ、人の望みの喜びよ

以上の10曲になります。

クラシック音楽が、子守唄のように温かさとやさしさを持ち合わせているのが、わかっていただけるのではないかと思います。

また、いろいろな楽器がかなでる音色を聴けるので、ぜひお子さんにも聴かせてあげてください。

日々の生活でストレスを感じているときなど、気に入った曲を聴くのも解消になるかも知れません。

ブラームスの子守唄

作曲:ヨハネス・ブラームス   歌:ウィーン少年合唱団

ヨハネス・ブブラームスは1833年生まれのドイツの作曲家、ピアニスト、指揮者でもあります。

作風は概してロマン派音楽に属しますが、古典主義的な形式美を尊重する傾向も強いです。

この曲は1868年ににおいて、ブラームスの友人であったベルタ・ファーバー(Bertha Faber)に次男が生まれたことを記念して作曲された。ファーバーは、ブラームスが指導していた女性合唱団の一員で、特に親しかったと伝えらています。

この子守唄は『5つの歌曲』作品49のうちの一曲として出版され、初演は、1869年にウィーンで、ルイーズ・ドゥストマン(Louise Dustmann)とクララ・シューマンによって行われました。

子守唄の一つとして広く知られており、民謡と同等に扱われることもあります。人気のために出版直後から多数の編曲が出されています。

ソロで楽器や声楽曲としても演奏されていますが、ウィーン少年合唱団の透明感のある声と重唱の
美しさに心ひかれます。

トロイメライ

作曲:ロベルト・シューマン 演奏:フジコ ヘミング

ロベルト・シューマン1810年ドイツの裕福な家庭に生まれました。

ベートーヴェンやシューベルトの音楽のロマン的後継者として位置づけられ、幅広い分野で作品を残した。特にピアノ曲と歌曲において評価が高いです。

「トロイメライ」は1838年に着手され、曲の大部分は1838年2月から3月にかけて作られ、全曲の完成は4月まで要しました。

同年の3月にクララ(シューマンの妻)へ宛てた手紙の中で、「時々あなたは子供に思えます」という言葉の余韻の中で作曲に至ったそうです。

そしてシューマンは30曲ほど作った小品の中から、12曲を選び出して『子供の情景』と名付けました。

この曲はフランツ・リストを感動させた。彼は「この曲のおかげで私は生涯最大の喜びを味わうことができた」とシューマンへの手紙に書き、週に2、3回は娘のために弾いていると明かしている。

「この曲は娘を夢中にさせますし、またそれ以上に私もこの曲に夢中なのです」と書かれていたそうです。

ピアニストのフジコ・ヘミングについて紹介します。

幼少の頃から、母親の手ほどきをうけてピアノを始める。小学生の頃から、天才少女とささやかれていました。

その後芸大に入り、国立ベルリン音楽大学に留学しました。卒業後、母親からのわずかな仕送り(両親は幼少の頃に離婚している)と奨学金でなんとかつないできたが、大変貧しく苦しい状況が続いていたそうです。

コンサート前に風邪をこじらせたが、病院に行くお金がなくて、右耳の聴力を失ってしまいました。

もともと右耳は16歳の頃、中耳炎の悪化で聴力を失っていました。

音楽家として大変苦労の連続だったそうです。現在は、その後治療をかさねて左耳の聴力のみ40パーセント回復したそうです。

1999年にNHKの「フジコ〜あるピアニストの軌跡〜」が放映されて大きな反響を呼び、フジコブームが起こりました。

その後、発売されたデビューCD『奇蹟のカンパネラ』は、発売後3ヶ月で30万枚のセールスを記録し、日本のクラシック界では異例の大ヒットとなりました。

第14回日本ゴールドディスク大賞の「クラシック・アルバム・オブ・ザ・イヤー」他各賞を受賞しました。

以前初めてコンサートで、彼女の「トロイメライ」を聴いたとき涙が出てとまりませんでした。

2024年4月21日死去されました。

G線上のアリア

作曲:ヨハン・セバスティアン・バッハ 演奏:ステファン・ハウザー

ヨハン・セバスティアン・バッハは1685年生まれのドイツの作曲家、オルガニストです。

バロック音楽の重要な作曲家の一人で、鍵盤楽器の演奏家としても高名であり、当時から即興演奏の大家として知られています。

日本の音楽教育では、「音楽の父」と称されました。

バッハ一族は音楽家の家系で、数多くの音楽家を輩出したが、中でもヨハン・ゼバスティアン・バッハはその功績の大きさから「大バッハ」とも呼ばれています。

この曲はヨハン・セバスティアン・バッハ(1685年から1750年)がケーテン時代におそらく36才から37才の頃、管弦樂組曲第3番二長調.BWV1068の第2曲(=エア(アリア))として書かれたものが原曲でとなったものです。

穏やかで優雅で荘厳な美しさに溢れているメロディ-でみんなに”G線上のアリア”で親しまれています。

ヴァイオリニストの地位も確立して来た頃、G線だけで演奏するという事が話題に上っていたそうです。

現在では広くヴァイオリンや他の楽器が他の線で弾く時にも”G線上のアリア”として紹介されるようになり、”G線上のアリア”と言う名が世に浸透したということです。

ヴァイオリンで演奏されることが多いですが、今回はStjepan Hauser (ステファン・ハウザー)(クロアチアの男性チェリスト)の演奏をピックアップしました。彼は日本でも大変人気があります。

動物の謝肉祭より白鳥

作曲:カミーユ・サンサーンス  演奏:宮田 大

サン=サーンスはフランスの作曲家でわずか10歳でコンサート・デビューを果たすなど、類い稀なる才能を持って生まれました。

この「白鳥」は、もともとサンサーンスの組曲「動物の謝肉祭」の一部として作曲されました。
この組曲は、様々な動物を描写した楽しいと同時に表現豊かな作品集で、子供たちから大人まで幅広く愛されています。

「動物の謝肉祭」は、その鮮やかなオーケストレーションと独創的なメロディで、サンサーンスの創造力と幅広い音楽的表現力を示しています。

ピアノが表しているのが、きれいに、はかなく揺らめく湖の水面。

チェロは、静かに死を迎える「白鳥そのもの」を表現しています。

「白鳥」はチェロオリジナルの作品で、チェロの持つ独特の響きと暖かみを完璧に引き立てる作品です。
チェロの広い音域を活用し、ピアノ・ハープのアルペジオの伴奏の上でメロディを豊かに表現しています。

演奏している日本を代表するチェロリスト宮村大を紹介します。

1986年7月5日に香川県高知市に生まれ、栃木県宇都宮市出身。

音楽教師の両親のもと、2歳よりヴァイオリンを始め、3歳よりチェロを始める。

中学時代ではバレーボール部の部長を務め、県大会まで出場しています。(ポジションはセッター。)

桐朋女子高校音楽科(男女共学)を卒業。桐朋学園大学ソリスト・ディプロマコースを首席で卒業しました。

その後スイスとドイツに留学し、2009年にカルテット(四重奏)でスイスおジュネーヴ音楽院を卒業し、2013年にはソロでドイツのクロンベルク・アカデミーを首席で卒業しています。

アヴェマリア

作曲:シャルル・フランソワ・グノー 歌:幸田 浩子

グノーは1818年生まれのフランスの作曲家。

母はピアニスト、父は画家、彫刻家でであった。5歳の時に父親が没し、母親の手で育てられた。

母親のピアノの手ほどきをうけ、楽才を開花させていった。

数々のローマ大賞(フランス国家が芸術を学んでいる学生に対し、優秀な学生に奨学金与える制度)を受賞し、ローマに留学した。

オペラ「ファウスト」や後のバチカン国家を作曲したことでも知られています。

「フランス近代歌曲の父」とも呼ばれ、美しい旋律、色彩感に満ちたハーモニーを伴った優雅でやさしい音楽は今日も広く愛されています。

歌っている声楽家幸田浩子についても紹介します。

東京藝術大学首席卒業。同大学院、及びオペラ研修所修了後、ボローニャ、ウィーンに留学しました。


数々の国際コンクールで上位入賞後、欧州の主要歌劇場へ次々とデビュー。


カターニア・ベッリーニ大劇場、ローマ歌劇場、シュトゥットガルト州立劇場等大舞台で重要な役を演じ、オペラの母国で豊かな経験を積んだ。


2000年には名門ウィーン・フォルクスオーパーと専属契約し、『魔笛』夜の女王、『ファルスタッフ』ナンネッタ等を演じました。


帰国後も様々な舞台に出演を重ね、第14回五島記念文化賞オペラ新人賞、第38回エクソンモービル音楽賞洋楽部門奨励賞受賞。

美しく、透き通るような声は多くの観客を魅了しています。

パッヘルベルのカノン

作曲:ヨハン・パッヘルベル 演奏:クルト・レーデル&ミュンヘン・プロアルテ管弦楽団

※【カノン】とは楽曲様式を表す音楽用語でで、日本語では「輪唱」などと訳します。 一つのメロディを、複数のパートが追いかけるように演奏していく演奏様式のこと。 有名な曲では「カエルの歌」やベートーベン作曲の交響曲第9番の「歓喜の歌」がカノン形式の楽曲として有名です。 そして【パッヘルベル】は作曲者の名前です。

ヨハン・パッヘルベルは、1653年ドイツのニュルンベルクの中流家庭で生まれました。

若い頃のパッヘルベルは音楽と学問の両面に優れていたそうです。パッヘルベルは初等教育を聖ローレンツ基幹学校で修めたのち、アルトドルフ大学に入学、同年そこで聖ローレンツ教会のオルガン奏者に指名されました。

文学を学びながら、学外で音楽も学んでいました。その学校の教授たちは、パッヘルベルの学問の才能に感動したそうです。

この曲はパッヘルベルのカノンとよばれています。

300年以上前の楽曲ですが、なんと注目されてたのは近年になってからなんです。

1970年にアメリカのラジオ局が流したところ、リスナーより問い合わせが殺到して、一躍人気曲の仲間入りを果たそうです。

亡き女王のためのパヴァーヌ

作曲:モーリス・ラヴェル  演奏:フランス・リヨン管弦楽団

モーリス・ラヴェルは1875年生まれのフランスの作曲家。「スペイン狂詩曲」やバレエ音楽「ダフースとクロエ」「ボレロ」「展覧会の絵」のオーケストレーションで知られています。

父親が音楽好きで幼少のころからピアノや作曲を学び、ラヴェルが音楽の道へ進むことを激励しました。

この曲の「亡き王女」のモデルと言われているのが、17世紀のスペイン王女マルガリータでした。
ラヴェルは、「スペイン狂詩曲」や代表曲「ボレロ」など、スペインを題材にした作品を数多く残しました。

24歳の頃に書き上げたこの曲は、古き良き時代を懐かしむかのような、感傷的な曲調の音楽となりました。

ラヴェルはこの曲に昔懐かしいスペイン、母親への強い思いが込められているのではないでしょうか。

クラリネット協奏曲

作曲:ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト 演奏:エルンスト・オッテンザマー(クラリネット)/ウィーン・モーツァルト・アカデミー

ブォルフガング:アマデウス・モーツァルトは1756年、ドイツのザルツブルグで生まれました。

父はザルツブルグの宮廷作曲家・ヴァイオリニストでした。

彼の作風は、美しい旋律、緻密な対位法、感情の表現力、そして技巧的な書法で知られています。また、彼は非常に多作で、短い一生に数多くの作品を生み出しました。

モーツァルトは、1791年12月5日に35歳で亡くなりました。35歳の一生において、多くの作品を残し
音楽史上、屈指の作曲家として現代に受け継がれているのは、彼がいかに鬼才であったかが伺えます。

このクラリネット協奏曲は、クラリネットを独奏楽器とする協奏曲です。

タイスの瞑想曲

作曲:ジュール・マスネ ヴァイオリン:梅原 真希子

ジュール・マスネはフランス、1842年風ランスのモントーで生まれました。モントーは当時はへんぴな小さい村でありました。

これにフランス風の軽妙さと叙情性を加えており、甘美なメロディーとフランス的な精神が特徴です。

このタイスの瞑想曲は、歌劇『タイス』の第2幕第1場と第2場の間の間奏曲です。

その甘美なメロディーによって広く知られています。

演奏している梅原真希子は、日本のヴァイオリニスト。東京都交響楽団団員である。
桐朋女子高等学校音楽科を桐朋音楽大学、ジュリアード音楽院を卒業しました。

美しいヴァイオリンの音色のにひきつけられます。

主よ、人の望みの喜びよ

作曲:ヨハン・セバスティアン・バッハ 演奏:ハンガリー放送合唱団/ファイローニ室内管弦楽団

ヨハン・セバスティアン・バッハについては「G線上のアリア」で紹介しています。」

この「主よ、人の望みの喜びよ」はバッハが1723年に作曲した教会カンタータです。

※教会カンタータとは主にプロテスタント教会の礼拝用かかれたカンタータ(単声または多声のための
器楽伴奏つきの声楽作品)

バッハはライプツィヒ時代に毎週のように教会カンタータを約5年分作曲していたが、現在残っているのは約4年分のおよそ200曲であるそうです。

この曲は結婚式やクリスマス、イースターなどのキリスト教の祝祭の季節演奏されることが多いです。

クラシック音楽がなぜ人の心をやすませるのか?

クラシック音楽って、普段あまり聴く機会がないですよね。

私ももそんなに多く聴くことはないですが、たまに聴くと自然と心が落ち着いてきたり、反対に元気が出たりします。時には心にしみて涙が出そうになることもあります。

また、すごく聴きたくなったりすることがあります。

研究によると、クラシック音楽は穏やかで美しい旋律や和音を通じて、心をリラックスさせる効果があることが示されています。特に、バロック音楽の一部は集中力や記憶力を高める効果もあるとされています。

クラシック音楽が心をやすらげる理由は、その音楽の特性にあるようです。

穏やかなリズムや調和的な旋律が、聴く人の心を安定させ、ストレスを軽減します。また、豊かな音響空間や感情豊かな表現が、心身のリフレッシュやリラックスを促進します。

クラシック音楽を日常生活に取り入れることで、心をやすらげる効果を実感することができます。ストレスや不安を感じたときに、クラシック音楽を聴く習慣を身につけることで、心のバランスを取り戻すことができます。

クラシック音楽は、心をやすらげる効果があることが分かりました。日常生活でストレスや不安を感じたときには、ぜひクラシック音楽を取り入れて心をリフレッシュさせてみてください。

まとめ

クラシック音楽には、人々の心を落ち着かせ、深い眠りへと導く魔法のような力があります。今回紹介した数々の楽曲は、まさにその力を持った名曲ばかりです。ブラームス、シューマン、バッハ、サンサーンス、グノー、パッヘルベル、ラヴェル、モーツァルト、そしてマスネの作品は、それぞれが異なる魅力を持ちながらも共通して、心を穏やかにし、リラックスさせる力を秘めています。

子供たちを寝かしつけるときに流す音楽として、これらのクラシックの名曲は最適です。柔らかく美しいメロディーは、聴く人の心に安らぎをもたらし、安心感に包まれた静かな時間を作り出します。また、これらの曲は子供だけでなく、大人にとってもストレスを軽減し、リラックスするための素晴らしいサウンドトラックとなります。

ぜひ、夜のリラックスタイムや寝る前のひとときに、これらのクラシック音楽を取り入れてみてください。心地よい眠りへと導くための最高のパートナーとなることでしょう。そして、日常の喧騒から離れ、穏やかな夜を過ごすためのひとつの習慣として、クラシック音楽を取り入れてみることをお勧めします。

クラシック音楽の持つ優雅さと静けさが、あなたの夜を豊かにし、心身ともにリフレッシュする助けとなりますように。素敵な音楽とともに、心地よい眠りの時間をお過ごしください。